売主様向けのご説明
(任意売却物件を購入検討の方は下のほうに買主向けの説明がありますので、そちらをご参照ください。)
◆任意売却とは
任意売却は不動産競売との密接な関係にあります。よって、まずは競売について概略をご理解いただく必要があります。
►不動産を購入する際、金融機関から融資を受けて購入される方(債務者といいます)が多いと思います。
通常は借入期間中毎月金融機関に返済していくわけですが、何らかの理由(リストラ・給料減額・事業の行き詰まり・多重債務)等で支払いが困難になってしまった場合に滞納となります。1ヶ月間支払いを滞納すると「催促状」が届きます。2ヶ月滞納すると、金融機関と今後について相談の場が設けられ、協議していくことになります。
►金融機関から支払い能力が無いと判断されると、競売に向けての準備に入ります。具体的には融資窓口(銀行)から、保証会社に代位弁済請求をし、保証会社は債務者者にかわって、融資窓口(銀行)に残債を一括支払いします。よって、債権は保証会社に移り保証会社が債権回収に動きます。
この一連の流れの手続きにも時間がかかるため、競売の申請をあげるまでにも多少の時間を要しますが、競売に向けて刻々と進んています。
►競売の申請を受けた裁判所は競売に向けて準備をします。債務者不動産には「競売開始決定」の登記がなされ、債務者宅にも、「競売開始決定通知」なるものが送付されてきます。裁判所の混雑状況にもよりますが、競売開始決定通知から、売却決定日までの目安は数か月から約半年前後とお考えください。
►売却決定通知後、裁判所の執行官、評価人等が自宅を訪ねて来て、競売の最低価格を算出するのに現状の使用状況や写真を撮りに来ます。
►その数ヶ月後競売の公示がなされ、入札期間、売却決定日が決まり、その日時に沿って処理されます。
►落札された場合、国の権限で名義を落札者に変更され、所有権をはく奪され、不法占有者と一転し落札者から明渡しの話合いが来ます。占有権限が存在しませんので、立ち退かない場合は、国の力で強制執行され、立ち入りできなくなります。
ローンの残額が2,000万円だったとします。競売では1,200でしか落札されませんでした。このケースだと、競売しても残債800万円あります。この800万円は当然免除にはなりません。今後どのように支払っていくのか協議していくわけですが、支払い義務は無くなりません。それを支払えないとなると、自己破産をしなくてはならいかもしれません。自己破産される場合は弁護士もご紹介いたします。
競売の一連の流れを把握いただいたことを前提に、本題である任意売却ですが、
一言でいえば競売までの間に債権者と協議して債権者の応じる金額にて一般市場にて売却することです。
競売ですと、購入者が建物内部を確認できず、色々なリスクを含んだ上での入札になりますので、通常売却よりは安くなりがちです。任意売却の場合、基本的には物件内部をご自身の目で確認できる点や売主さんに会え、売主さんの人物像や故障箇所等聞ける点など、競売よりは購入者側のリスクが減らせる分、競売より高く売却できる可能性が高いことから、残債を競売より多く減らせる可能性が高いメリットがあると言われております。
また、任意売却ですとわずかながら引越し費用を売却代金から認めてもらえるケースがあります。
この引越し費用ですが、金額はケースによって異なりますが、最近は一律で決められてしまっている場合も多いです。当然、移転費用ですから、引っ越し費用や移転先の賃貸等入居費用の見積書から、最終的には領収証まで提出する必要があります。【極力ご希望に沿えるよう交渉します。詳細については、ケースバイケースにつき、それぞれの状況等もございますのでご相談ください。】
►任意売却をする場合(以下は自己破産を前提とした任意売却の場合の説明です。詳細はお問い合わせください。)
・債権者とお客様に代わり弊社が任意売却について交渉いたします。
→債権者によっては、任意売却に応じない、もしくは仮に応じても市場相場よりも、高い金額でかけ離れている価格での承諾といったこともありますので、100%任意売却できるとも限りません。
・費用は宅建業法に基づき成約価格の3%+6万円とその消費税となりますが、この費用を売却代金から出してもらうようにしますので、売却にあたってのお客様による仲介手数料の負担はございません。
・抵当権抹消費用について、こちらも債権者から出してもらいます。
・2番抵当権者、3番抵当権者がある場合、そちらの抹消にかかわる費用についても売却代金内でおさまるように交渉いたします。
・ケースによっては周りに事情を知られないで売却できる(買取もしくは既存のお客様での成約等)もあるかと思います。
※要するに、任意売却にあたり、売主として支払う費用は何なのか。
答えは、引越先にかかわる費用(引越し代や賃貸ならば入居費用等)です。
ただし、これは競売になったとしても、いずれ引越ししなければなりません。、特別な費用では無いと思います。(既述のとおり、ここの費用を売主様の懐から極力少ない金額でおさまるように交渉して参ります。)
※なお、現在の収入では毎日の生活費でいっぱいで、貯金どころでは無い(引越し費用が無い)といった方の場合もあきらめず、まずは御相談ください。そのままにしても、いずれ競売となってしまったら、それこそ、移転費用は0円となってしまいます。
►任意売却の場合、競売までと販売期間が限られます。1日も早いご相談が任意売却による成約に近づきますので、ご相談だけでもお気軽にお問い合わせください。
※任意売却にあたり、不動産業者の選定もポイントの一つです。
1.対象不動産がある地域を得意とする地元の不動産業者がよろしいかと思います。
理由として、売主さんと不動産業者は言わば二人三脚で売却を進めて参ります。随時まめな打合せも必要です。また、ただ売れば良いということではなく、引越し先についても、お世話させていただくにあたり、何かと近くの業者のほうが便利かと思います。
次に、目標は売却です。売却するのにあたり、債権者との打合せにしても地元に精通している者の話の方が当然説得力もありますし、買主さんに対しての説明も地元ならではの、情報も提供できます。
弊社は、不動産業者ですので不動産に関しては当然お世話できますが、債務整理や自己破産に関しては弁護士さんにご相談いただいております。
弊社提携法律事務所をご紹介いたしますので、無料相談の制度もあるようですので相談してみてはいかがでしょうか。大成興産の紹介でと付け加えていただけましたら、より親身に対応いただけます。
多重債務のお客様の場合、弁護士費用も過払い金から賄えたというケースも多々あります。(実質負担0)相談してみてはいかがでしょうか。
任意売却を購入検討されている買主向けの説明
任意売却物件については、上記の内容のとおり、端的に住宅ローンもしくは、事業等で借り入れている借金が返済できず、債権者(貸している側)から、不動産に抵当権をつけているケースがほとんどですので、返済不能による抵当権実行(売却して、そのお金を借金にあてる)をして、強制的に売却させられます。
その強制的に売却させる権利を持っているのは、国です。それが競売となります。
その競売にさせるには、時間がかかりますし、債権者からは、競売することが必ずしも高く売れる(借金返済を多くさせる)ことにつながるとは限りません。
なぜなら、競売は、物件の情報は公開させるも、物件の状況については、外観は確認できても、中の状況(設備や、内装状態、不具合、室内の状況等)は、確認できないので、そういうのが、存在した場合を含めて競売に参加することから、一般市場の価格より安くなるケースが多いようです。
任意売却は、競売よりは高く売れる可能性があります。その理由は、購入者にとっても、実際物件の内覧が可能というメリットがあり、競売よりは、物件に対して得られる情報が多いことが理由です。
このことは、債権者にとっても結果的に競売より高く売れる可能性もあることから、任意売却に協力を得られることが多いです。
さて、任意売却物件の本題ですが、購入者の立場での注意点を記載しておきます。
1.現況有姿売買 もし、不具合があっても、それを修復する費用を売主は持ち合わせていませんので、不具合は不具合の まま、引き渡しとなります。また、物件によっては、残置物があり、そのままの状態というケースもあ ります。 |
2.瑕疵担保責任免責 中古物件の不動産売買の場合、一般の方が売主の場合、瑕疵担保責任として、引渡後2か月もしくは3 か月間に限って、修復する責任を負います。 その瑕疵担保に該当する内容は、「雨漏り」「シロアリの害」「建物構造上主要な部位の木部の腐食」 「給排水設備の故障」の4点について、たとえ売主自身が知らなかったとしても、上記期間内は修復 (その害によって目的を達せられなければ、解約)の責任を売主は負うことになります。 あまりにも建物が古い物件の場合は、瑕疵担保免責という物件もありますが、任意売却の場合、売主は 瑕疵が発生したとしても、それを修復する費用を持ち合わせていませんので、瑕疵担保免責とさせてい ただきます。 なお、瑕疵担保に限ったことではなく、何があっても、売主には請求できないとご理解いただいたほう が、わかりやすいかと思います。 ただ、競売と違って、売主とお話しできます。 一般的には、その物件に住んでいるわけですから、不具合は知っているはずです。売主には、不具合を 隠してもメリットがあるわけでもないので、契約までには、申し出ていただきますし、内覧等の際も 説明いただくようにしております。売主と話す機会がありますので、直接確認いただくのも可能です。 |
3.抵当権抹消条件付 任意売却は借金より、売買代金が低いから任意売却、競売となります。 借金より売却価格が高ければ、通常売却です。 本来、抵当権は借金を完済したら、債権者から抵当権を消してもよいという書類をいただけます。 任意売却は完済できませんが、それでも抵当権を消してもよいという書類をいただくことにあります。 当然、債権者側はそれに承諾するのに、いろいろ稟議をかけ、最終的に承認をとる作業を行いますが、 債権者側の金融機関は実際に売れる見込みがないと、本稟議にかけません。 任意売却の売値は、この金額なら抵当権抹消に応じられそうという概略で進められます。 いざ購入申し込みが入った場合に、稟議という形になるわけです。 売値で、無交渉で購入される場合は、大概承認がとれますが、値引き交渉が入るケースも多く、希望 価格で話が纏まるか否かは、債権者次第です。 このことから、その金額では抵当権抹消に応じないということも可能性としてあり得ます。 そういった場合、売買契約は白紙解約(手付金もお返しして、なにもなかった状態)とさせていただく 条件をつけての契約を締結させていただきます。 抵当権抹消できない状態で、名義変更はできませんので。 |
競売と任意売却の違いは、売主と話せるか否か、物件内覧できるか否かだと思います。 近所のことや、物件の不具合等、お住まいになっているわけですから、そのあたりはわかっているはず です。そこで、確認して、合わせて、ご自身の目で直接物件を確認して、納得のうえで、話が進められる ことです。 では、通常売却との違いは、上記3点が付くことです。 通常売却物件より少し安く買えれば、任意売却も選択肢の一つになるかと思います。 仮に、不具合が無い物件だったとしますと、通常売却と同じ価格でも購入者にデメリットはあまり無いか もしれません。任意売却だから、必ず安いわけではないこともあります。 価値判断は、ご自身の目で確認してみてください。 物件の相場等については、調べてお伝えできますので、サポートさせていただきます。 |